初めまして、これまでの小川に変わりまして、
今年度から本blogの執筆担当の一人になりましたD1の横山大輝と言います。
今後ともよろしくお願いします。
今日はここ最近、私が行った調査について書きます。
山形大学の演習林は日本海側にあり、非常に多くの雪が積もります。
最大の積雪深は3mを超えます。
また、積雪は非常に重く、4mの深さの積雪によって4t(トン)の沈降圧*がかかるという報告もあります (梶本ら 2002, 雪山の生態学, P. 22) 。
*積雪が自ら重さや上に新たに積もった雪の重さで雪が収縮し、発生する圧力
つまり、このような強大な雪の圧力は多雪地域で生育する樹木にとって無視できない影響があると考えられます。
しかし、多雪地域で生育する樹木がその雪の圧力に対してどのような戦略で耐え、成長し続けているのかは不明な点が多いです。
そのため私は博士課程の研究で、多雪地域で生育する樹木が雪の圧力に対してどのような形態、解剖及び力学的な特性を持つことで適応しているのか解明したいと考えています。
前書きが長くなりましたが、これからは先日行った雪掘り調査の風景です。
雪掘り調査初日(20240413)の道中です、左から庄司、吉村先生、荒井です。
標高750mくらいです。見える山は多分湯ノ沢、摩耶山とか?
卒業生の小原君が調査地としていた谷地幅湿地 with 月山です。
見て分かる通り4月の中旬ですが、雪に覆われており、積雪深は2m以上ありました。
雪掘り調査開始です。調査地は標高800mくらいです。
吉村先生が雪の中半袖で雪を掘りまくっております。
よろしくお願いします。
たくさん掘ったら木ができてきました。
この写真で私が面白いなと思った点は、幹が水平に倒れていることに加えて、枝が雪によって幹よりも下に引っ張られたり曲げられている点です。
雪の圧力は積雪下で越冬する個体にとって幹にかかる曲げの力だけではなくて、枝にも曲げや引張の力をかけているのではないかと感じました。
では、このような雪の圧力に樹木はどのような特性を持つことで耐えているのでしょうか?
今後明らかにしていきたいです。
こんな変な形で埋雪していた個体もいました。種はコシアブラです。こんなに幹が変形しても折れないのは雪の圧力に堅くして耐えるのではなく、むしろ幹を柔らかくすることで雪の圧力を受け流ししているかなと思いました。
雪の圧力に対して多雪地域で生育する樹木には様々な戦略があるのかもしれません。
雪の中で埋まっている木々はこんな形で埋まっているみたいです。埋雪して幹が寝ている木もあれば、奥に一本立っている木は逆に埋雪しなかった木です。樹高が高い木は埋雪しません。これほど変形して雪の中で埋まっていた個体も樹高が大きくなるとあんなに直立できるのもかと思います。
雪掘りには人手が必要です。調査補助に来てくれたスペシャルゲストです。
左は同じ山形大学の江成研M2の山下君、右は吉村研卒業生でアカハライモリの研究をしていた小川です。良い笑顔と絶妙な距離感ですね。
調査の補助に来てくれた皆様本当にありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
P:S:安くて使いやすいスコップの紹介
この赤いスコップはSoomloomのスノーショベル スコップです。値段は3000円と一般的なスノーショベルよりかなり安いですが、柄が長くかなり掘りやすいです。
重さも問題ないと思います、軽いです。雪をたくさん掘りたい方は是非。
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