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信州大からの刺客、、、庄内生態学セミナー 環境応答の種間差

執筆者の写真: 森作り論森作り論

更新日:2024年12月22日

大変、お久しぶりでございます。

ごめんなさい。


D1の横山です。


今日は11月の上旬に行った庄内生態学セミナーについてお話させていただきます。


庄内生態学セミナーに、

今年の7月に遊びに行った信州大学の増本泰河さんと橋本裕生さんが来てくれました。


庄内生態学セミナーでは

増本さんには細根の形態や解剖と水利用との関係、

橋本さんには細根の炭素利用とその季節変化についてお話ししていただけました。

その内容の一部を少しお話させていただきます。


お2人の調査地は標高が3000mを超える乗鞍岳で、高標高の地点では一年の中で成長できる期間がすごく短いことが特徴です。


その乗鞍岳の高標高(約2500m)地点に生育するダケカンバとオオシラビソを対象に細根の形態や解剖と水利用の関係を調べています。


全体の左にある針葉樹がオオシラビソ、右にある広葉樹がダケカンバ




そこで、高標高に生育するダケカンバは標高が低い地点で生育している個体より、

通水機能が高い細根を形成しています。


そのため、ダケカンバは短い期間で高いパフォーマンスを発揮できる細根を形成し、

一年の内に成長できる期間が短い環境に適応していることが考えられます。


一方のオオシラビソは、高標高に生育する個体ほど、

水を保持する能力が高く、丈夫な細根を形成しています。


つまり、ダケカンバとオオシラビソは別々の水利用特性を高めることで、

厳しい環境での生育を実現しているということを知りました。



炭素利用についてもダケカンバとオオシラビソとでは、

同じ厳しい環境に対して別々の応答を示すことを教えていただきました。


高標高地点に生育するダケカンバは標高が低い地点の個体より、

呼吸速度の温度に対する感受性が高いです。


これも水利用特性と同様に、

一年の内に成長できる期間が短い環境に適応するために、

短期間でのパフォーマンスを高めるためであると考えられます。


一方の高標高地点に生育するオオシラビソは標高が低い地点の個体より、

呼吸速度の温度感受性が低く、厳しい環境下ではゆっくり成長することに重きを置いている

ように見えます。


したがって、

水利用と炭素利用について、

ダケカンバは

成長期間が短い厳しい環境下でもできるだけタイムパフォーマンスを高めることができる細根を形成しており、

逆にオオシラビソは

厳しい環境下に耐えられるような丈夫なロスを少なくした細根を形成していることを教えていただきました。


水利用と炭素利用については

種内で一貫した環境応答をしており、

種間では真逆と言ってもいい別々の特性を高めていることを知りました。


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一つの環境でも、

異なる特性を高めることで、その環境に適応するということは珍しいことではありません。


樹形形成について分かっていることでは、

暗い環境下に生育する樹木について、

暗い環境であることを受け入れて、暗い中でも受光する効率を高めるような樹形を形成する種もいる一方で、

暗い環境から脱出するために、枝を遠くに伸ばして明るい環境下で光合成できるような樹形を形成する種もいます。


幹枝や葉での水利用についても

乾燥した環境下に生育する樹木について、

葉や枝で水を失わないように丈夫な構造を作る種もいれば、

逆に水の出口である葉をさっさと落としてしまって、個体全体が乾燥して死んでしまうことを避ける種もいます。


つまり、

同じような環境にいるからといって、

そこに生育する樹木が共通の特性をもっている訳ではありません。

その違いを明らかにすることは、

生態系を理解する上で重要な種内や種間の競争関係の解明にもつながります。


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次に、庄内生態学セミナーの翌日のエクスカーションの様子です。


エクスカーションでは山形大学の上名川演習林に行きました。

11月の上旬でしたが、もう雪がうっすら積もっている状況でした。



左から、もじもじ君のコスプレをする庄司、寒くないふりしてる増本、寒くて元気ない橋本、佐藤、柴田です。


エクスカーション中には、増本さんがブナの根の菌根についてお話ししてくれました。



こちらからは吉村先生がトリアシショウマの根の形態と成長様式についてお話ししてくれました。




前日に行われたセミナー中には聞けなかったラフな質問や増本さんや橋本さんの考えが聞けた楽しいエクスカーションになりました。



最後によくわからないところでとった集合写真です。



おまけ


セミナー前日にスライドを急いで作る二人


また来てね

 
 
 

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